Story

     夜の駅前。
彰:「じゃーな。」
     改札の向こうで桃子、覇海、誠が手を振っている。
桃子:「じゃーね。」
     電車が発車する。それを横目に祐、彰、由香が歩いていく。
彰:「んじゃ、俺はここで。」
由香:「うん、吉成君。バイバイ!」
     彰は二人に手を振って歩き出す。
     途中、自動販売機でジュースを買って公園に立ち寄る。
     彰、ジュースを飲みながら夜空を見上げる。
     ふと口笛がどこからか聞こえる。
     彰が視線をそちらに下げると空手着の男が大の字になって、夜空を見上げている。
     彰、一瞬驚くが、それが周平だと気づき近づいていく。
彰:「よぉ、周平じゃないか。奇遇だな。こんなとこで何寝転がってんだ?」
     周平は閉じていた目をゆっくり開け、彰を見る。
周平:「よぉ、彰か…。」
彰:「…。」
周平:「俺、今日試合だったんだ。」
彰:「あーそういや、前同窓会の時、そんな事言ってたな。」
     そう言って、彰は周平の横に座る。
     周平はまた目を閉じる。しばらく沈黙。
周平:「なぁ、彰。神様って信じるか?」
彰:「なんだよ、とーとつだな。…そうだな、半信半疑ってとこだな。」
     周平、目を開ける。
周平:「俺さ、いつも試合が終わった後、神を感じるんだ。」
彰:「?」
周平:「試合前ってのは、どんなに練習しても不安なもんなんだ。勝てるかどうかなんてわからない。怖くてたまらなくて逃げ出したくなる。でも、自分がそこから逃げずに最後まで頑張れた時、勝っても負けても自分が一番見たい景色が見えるんだ。」
     彰は周平の顔を見る。
周平:「きっと神様ってのはそんな人間が頑張るところを見るのが好きで、頑張れた人にはみんな平等にそんな景色を見してくれるんだと思う。」
     周平、起き上がり、
周平:「だからいつも頑張ってたい。怖くても戦ってたい。その先にあるものが俺は見たいから。」
彰:「その先にあるもの・・か。それがお前が空手を続けてる理由か。」
周平:「そうだな。そうかもしれない。」

CREDIT

タイトル:「Over」
CAST:
柏木 由香
真柴 周平
大森 麻由美
吉成 彰
上田 桃子
森本 祐
山下 舞
神崎 誠
北西 香
岡野 篤
嶋田 綾
江藤 覇海
WRITER:JB_HIRO.

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